その講師の方は、続けさまに、ヤングリビングは、どれだけ素晴らしい会社なのか、どれだけいい製品なのかを説明し始めました。
その説明の中で、この会社は、ネットワーキングビジネスというシステムを取っており、店頭販売していないとおっしゃいました。
『え、ねずみ講ってこと?』
もちろん、ねずみ講は違法なので、ヤングリヴィングはねずみ講ではありません。でも、私は、ネットマーケティングのビジネスと、ねずみ講という違いさえ全く分かってませんでした。
ネットワーク系のビジネスと聞けば、お金に汚い人が関わる、悪い商法だというイメージしかなかったため、YL社の精油は、店頭販売しないと聞いた瞬間、私が感じた精油の素晴らしさなど、あっという間に吹っ飛び、なぜこんな講座に来てしまったのかと後悔さえしました。
私がなぜ、こんなにも悪いイメージを持ってしまったかは、過去に体験した嫌な思いが影響しているのです。だから私は、この先、何があろうとも、この世界とは関わるまいと誓っていました。
今になって思えば、ネットワーク系の世界が悪いのではなく、私が過去に関わった人たちのスタイルと合わなかっただけなのだろうと思います。
1度は、知人から、美味しいものを作るから家に来てと言われて行ってみたら、とある会社のお鍋を売るデモンストレーションでした。
正直に言ってくれても参加したのに、なぜ、だますようなことをするのかと、悲しい気分でいっぱいになりました。そこまでして、物を売りたいのだろうかと疑問を持たずにはいられなかったのです。
そして2度目は、とある化粧品会社の方から、一緒にお仕事をしないかと誘われました。お断りしましたが、毎日、電話でのお誘いがあり、何度も断った末、最終的には、すごい剣幕で怒鳴られ、ガチャ切りをされてしまったのです。
若かったこともあり、ネットワーク系のビジネスをする人たちを恐怖に感じ、もう絶対関わるまいと誓いました。
3度目も身近な人がネットワーク系のビジネスにハマり、離婚寸前までいき、友人も失くしたと聞きました。そこで私は、やっぱり危ない世界で、楽をしてお金を稼ごうとするから、そんなことになるんだと確信したのです。
こんな過去があった私なので、ヤングリヴィング社の精油がどれだけ素晴らしいものか知っていたとしても、絶対に手を出したくありませんでした。
YL社の精油を使った講座では、すでにYL社の精油を使っている人が何人もいて、本当にいい精油だと教えてくれましたが、耳には一切入ってこず、
『よくネットワーク系の製品なんて使えるわね』
と半ば軽蔑した目で見てしまっておりました。(みなさん、すみません…)
この講座のあとは少々大変でした。だって、この日から、私の迷い続ける日々が始まることになるのですから。